インスピレーションツアー

私のブランド、Normal Timepiecesは東京を拠点としています。デザイナーとして、日本では常にインスピレーションを受けてきたこともあり私は30年間東京に在住し仕事をしています。日本に来る前アメリカの大学で世界のデザイン史を研究していた時、一番印象に残ったのは日本の典型的なミニマリズムと職人技でした。今日私の周りの至るところでは伝統的だけでなくポップカルチャーの中にもそうした文化を感じます。
新しいプロジェクトがスタートするときや何かインスピレーションを必要とするときなど、いつもの近所を散歩しながら考え事をします。それは私が住んでいる神宮前から始まり、原宿、表参道、そして青山のようなよく知られたエリア。そこには創造的なエネルギーがあり、このうちのいくつかは素朴で若々しいエネルギーで、あるものは洗練されそして幻想的。いたるところに発見すべき新しいことが常にあるのです。
私はこの土地で多くの時間を過ごし沢山の方々から恩恵を受けたので、いくらかの恩をお返しをする時と感じています。
このインスピレーションを得たツアーシリーズから何かを感じ取ってもらえると嬉しいです。
毎月更新いたしますので是非ご覧ください。もしあなたが東京を訪問する計画があるなら何かお手伝いができるかもしれません、その時々の出来事や季節を感じる出来事などを。
ロス・ミクブライド
VOl.1- 2020年東京オリンピック競技場付近
最初にお伝えするのは神宮前の私のスタジオから徒歩3分、このエリアは私が徒歩圏内に必要なものがすべて揃った東京の中心部にあります。ここは昔からの住宅街でありながら多くの商業施設の近くにあることから、クリエイティブな会社やコミュニティと多くの独立したファッションブランドのあるエリアです。また1964年の日本初のオリンピック地区であり、現在は2020年のオリンピックに向けて街のいたるところが改装中です。

50年以上もここに住んでいる私の隣人と話して、最初のオリンピックの時にどのように劇的に街が変わったかを説明することができます。多くの土地は農地であり、それらは新しい道路や建物にどんどん置き換えられました。私のスタジオの前の奇妙な形をした道は、かつては渋谷川でしたが今は地下にあります。 1964年のオリンピックは日本の街つくりのターニングポイントと見られていて、今日のような国際社会の一員となり経済が拡大し始めた時と重なります。
2020年のオリンピックは1964年ほど劇的になることはないかもしれませんが、東京オリンピックが発表されたのちに次第に街は変化していきました。多くの古い建物が壊され都市計画が再構築する準備を進めていました。今はまだその多くは工事中ですが、それがすべて落ち着いたら、私の近所は驚くほどの変化が目に見えるようになります。来年から東京を訪れるつもりなら一見の価値があります。
一番注目すべきプロジェクトは新しいオリンピックスタジアムです。これは、ホテル、いくつかのマンション、公園エリアとともに、はるかに小さなオリジナルのオリンピックスタジアムがある場所にあります。新しいスタジアムはスタートした当初、ちょっとした解決しがたい難問で話題が持ちきりでした。海外の人々がこれに気付いているかどうかはわかりませんが、ここではメディアはこぞって取り上げていたのです。
オリンピックスタジアムをデザインするための国際コンペがあり、そこには国内外のビッグネームが含まれていました。そして イギリス人のザッハ・ハディッドが勝利しました。

…それに対して大きな世間の反応があるまで。国民はコンペの概要を知らされておらず、結果として選ばれたデザインは多くの課題を含んでいました。私はその建物が私の生活圏内にある大切な近所としては場違いに見えるという考えにいたり、世間のそのような声に同意でした。理由はそのコンセプトや見た目がこの場所の歴史や文化と関係がありませんでした。その後もプロジェクトは一旦は遂行され彼女は構造や予算を調整しましたが、結局政府から中止の声がかかりました。
私はこれについて書いています、なぜなら日本には「国際的な」競争に関してソートされた歴史があるからです。彼らは過去にいくつかの同様のプロジェクトを管理していました。彼らは今までに自分の教訓を学んでいるはずであり、そのような基本的な問題を避けています。なぜ彼らは単にこの競争を日本の建築家に限定しなかったのでしょうか。とても良いものがたくさんあります。
その後バトンは隈研吾に引き渡されました。
下の画像は工事現場の過程です。
この新しいスタジアムは当初の予定よりはるかに遅れて始まったので建設スケジュールは非常にタイトでしたが、2019年11月に完成予定です。この新しいスタジアムの特徴は、緑が多く周囲の環境によりよく適合し私の近所にとって良い資産になるということです。
ザッハ・ハディッドがデザインほどアイキャッチで象徴的ではないけれども。

これは最初のレンダリングです。

実際の工事現場です。

私が近くで実際に見たときの写真です。
近くを通りかかってこの建物を見るたびに、気になることがあります。
写真の木製のスラットですが、これらがランダムに投げられているかのように見えるのです。おそらく非常に明確な数学的公式があるとおもいますが、なんだか不安にさせる隙間がありよく考えられているとは思いません。日本人ならおそらくできたはずです。
スケジュールがキツくてこれを正しく行うのに十分な時間がなかったでしょうか、、。あなたはどう思いますか。


いくつかのスラットにはランダムな隙間があり、きつく詰め込まれていないようです。どうしてかしら?

マークしているところはこの記事で参照されている関連場所です。normalのオフィスはNTロゴがある場所。